ボイラの給水は、地域によって水質が大きく異なります。
地下水なのか、上水なのか、あるいはその混合なのか。
同じ「水」と言っても、中身はまったく違います。
ボイラ給水の基本は軟水ですが、純水を給水しているボイラもあります。
ただ、方式がどうであれ、ボイラ管理で一番大事なことは非常にシンプルです。
それは、「給水に硬度がないこと」。
ボイラは蒸気をつくる設備です。
つまり、水は蒸気として外に出ていきますが、溶け込んでいる成分はボイラの中に残ります。
その結果、ボイラ内の水はどんどん濃縮されます。
一般的には、ボイラの中では給水の成分が20倍程度に濃縮されると考えます。
ここで重要なのが硬度です。
仮に給水の全硬度が1mg/Lあった場合、ボイラの中ではそれが20mg/L相当になります。
この濃度になると、炭酸カルシウムなどが析出し、スケールとして付着するリスクが高くなります。
では、「0.5mg/Lなら大丈夫か」というと、それも単純な話ではありません。
0.5mg/Lであっても、濃縮されれば10mg/L相当になります。
このレベルになると、清缶剤(ボイラ薬品)の分散能力がきちんと発揮されているかどうかが非常に重要になります。
つまり、硬度をゼロに近づけることと同時に、ボイラ薬品が正しく機能する条件を維持できているかどうかがポイントになります。
そのため、給水の軟水管理は「最初に確認したから安心」では意味がありません。
軟水の確認は、硬度指示薬で行います。
青になれば〇、赤は×。
方法自体はとても簡単です。
だからこそ、これは毎日やってほしい。
軟水装置は機械です。
樹脂の劣化や、再生不良、バルブの不具合など、トラブルは必ず起こります。
毎日の確認を怠ると、気づいたときにはボイラの中でスケールが進行していた、ということになりかねません。
ボイラ用軟水の管理は、派手な技術ではありません。
でも、ここを外すと、その後にどれだけ良い薬品を使っても、取り返しがつかないことがあります。
軟水管理は、基本中の基本。
だからこそ、一番大切にしてほしいポイントだと考えています。


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