水処理の仕事をしていると、
「殺菌」
という言葉がよく出てきます。
飲み水。
プール。
冷却塔。
温泉。
工場の製造ライン。
用途は違いますが、どれも共通しているのは、「水の中で菌を増やさない」という考え方です。
そもそも水は腐ります。
子供の頃は、水は自然にきれいなものだと思っていました。しかし仕事をするようになって、水ほど管理が必要なものはないと感じるようになりました。
その腐る原因の一つが菌です。条件が揃えば増殖します。特に暖かい環境では、菌は驚くほど早く増えます。
私たちが普段何気なく使っている水も、実は様々な管理によって安全が保たれています。
殺菌剤とのつき合い方
一般的によく使われる殺菌剤が、次亜塩素酸ソーダです。プールの消毒や上水道の殺菌にも使われています。
「塩素のにおい」と言えば、プールを思い出す方も多いと思います。あの独特のにおいも、殺菌管理の一部です。
ただ、殺菌剤はたくさん入れれば良いというものではありません。確かに濃度を上げれば殺菌効果は高くなります。しかし、その一方で金属を腐食させたり、設備を傷めたりする原因にもなります。人に対しても刺激が強くなります。
そのため、水道やプールでは適切な濃度で管理されています。
実際に水道水を測定すると、残留塩素は0.3mg/L前後であることが多いと思います。非常に少ない濃度ですが、このわずかな塩素があることで蛇口から出てくる水の安全性が保たれています。
逆に言えば、水を安全に保つというのはそれほど簡単なことではありません。
菌を殺したい。でも設備は守りたい。人にも安全でなければならない。
このバランスが重要です。
用途は違っても、考え方は共通している
工場の現場でも同じです。殺菌を強くすれば安心というものではなく、製品への影響や設備への影響も考えなければなりません。
冷却塔ではレジオネラ菌。食品工場では一般生菌や大腸菌群。温泉では衛生管理。用途によって対象となる菌は違いますが、考え方は共通しています。
水処理の世界では、「菌をゼロにすること」よりも、「安全な状態を維持すること」の方が大切だと感じています。
普段は意識されることの少ない殺菌ですが、蛇口をひねれば安全な水が出てくる。プールに安心して入れる。温泉を楽しめる。
それは当たり前のようでいて、実は多くの人の管理の上に成り立っています。
水処理の仕事をしていると、そういう「当たり前」を支えることの大切さを感じます。
次回は、冷却塔で問題となるレジオネラ菌について書いてみたいと思います。

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