社長メモ|インプル

先日、ある場所でこんな話になりました。

椿野化工さんって、昔取引していたわ。

そう言われたので、

何を買っていただいていたんですか?

とお聞きすると、返ってきた答えが、

インプル!

でした。

インプルという名前を聞いて、うちの従業員でも知っている人はいないと思います。

前にも社長メモで書きましたが、マッチの軸が途中で折れず、最後まできれいに燃えるために使われていた薬品です。リン酸やアンモニアなどを使い、木軸を処理するための薬品でした。

そうか、マッチ会社さんだったんですね。

話を聞いているうちに分かりました。そしてさらに驚いたのは、

40年ぐらい前の話やで。

と言われたことです。

40年前というと、まだ私が会社へ入る前です。創業者が社長をしている時代の話になります。私は直接その取引を知りません。

それでも、こうして昔のお客様から会社の名前を聞き、当時の商品名まで覚えていただいている。なんとも不思議な気持ちになりました。

仕事というのは、商品を売って終わりではないのだと思います。40年経っても、「ああ、あの会社な。」と思い出していただける。それは取引額ではなく、人と人との関係の積み重ねなのかもしれません。

マッチ産業そのものは、昔に比べるとずいぶん小さくなりました。しかし、こうして話を聞くと、椿野化工も姫路の地場産業とともに歩んできたのだと感じます。

たった一言の「インプル!」でしたが、会社の歴史を少し見せてもらったような気がした一日でした。

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